デサントの「E-プロテイン」シリーズのスポーツウエアはチョッと変わっている。なんと卵の殻についている薄膜(卵殻膜)を利用した新素材で作られたエコな商品だ
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ゆで卵をむくと、殻の内側に半透明の薄い膜がある。この膜は卵殻膜といい、古くからお相撲さんの裂傷した皮膚への貼り付けるなどの利用がされてきた。また中国の漢方集大成「本草綱目」でも紹介されており、卵殻膜の効能はよく知られている。そして卵殻膜は民間療法として広く利用されてきている。この卵殻膜の効能は卵殻膜(EMプロテイン)に含まれている「肌再生アミノ酸」プロリン、シスチンなどの作用によるものだと言われている。このEMプロテインはヒト真皮繊維芽細胞の3型コラーゲンを増殖させ、皮膚に柔軟性やみずみずしさをもたらし、艶やかで、ハリのある肌をサポートすることがキューピー株式会社ファインケミカル部の長年の研究で明らかにされている。EMプロテインの大量生産技術も確立しすでに化粧品や健康食品として広く用いられている。スポーツ用品大手のデサントがこの卵殻膜を使ったポロシャツ、スラックス、ソックスなどの「E-プロテイン」シリーズを開発した。この技ありの製品は毎年マヨネーズなどの製品で大量の卵を使用するキューピー株式会社がこの資源を有効活用するために殻と卵殻膜を分離する技術を開発したことが発端だ。
出光テクノファインはキューピー株式会社が開発した卵殻膜を直径5マイクロメーターの(1マイクロメーターは1ミリの1000分の1)均一なパウダーにして、それを生地にくっつけて吸湿性、放湿性を高めることに成功した。デサントはキューピー株式会社が開発したこの卵殻膜を細かく砕いてパウダーにした素材に非常に高い吸湿性、放湿性があることに注目して、このパウダーを付着させた生地をウエアにした。完成した生地は普通のポリエステル生地などと較べて吸湿性、吸水性、放湿性などが非常に優れている。また静電気が発生しにくいという特質があるせいか、運動していてもウエアが身体にまとわりつかないようだ。ゴルフ用のスラックスとしても商品化されているが、夏にはいてプレーしてもムレなくて着心地がよい、と評判がよいようである。デサントはその後も自社製品のポロシャツ、ソックス、肌着などにもこの素材を採用している。ポロシャツには一着あたり6個ぶんの卵、スラックスには8個ぶんの卵殻膜が使用されているということだ。これからの暑い夏にデサントの卵殻膜を原料とした素材のポロシャツ、スラックス、ソックス、肌着などを試してみるのもいいかも。
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デサントと出光テクノファインと共同で開発した卵殻膜を使ったスポーツウエアの原料となる卵殻膜を供給しているのはキューピー株式会社である。キューピー株式会社はマヨネーズなどの製品の原料として年間およそ23万トンの卵を使用する。そこからとられる卵殻膜は水分を含んだ湿重量で2000トンちかくになる。キューピー株式会社はこの資源を有効利用するために卵の殻と卵殻膜を分離する技術を開発した。卵の殻もお菓子のカルシューム強化材として、あるいはチョークの原料として利用される。卵一つでもこのようにその全てを有効に活用できるのだから、まだまだ工夫すればいろいろな製品の原料を広く有効利用することはこれからの産業界がしてゆくべきことであるだろう。そういえばペットボトルを再利用して衣服を作るということもされていた。これは産業界だけでなく専門知識や専門的な情報、文学、音楽、絵画などの二次的活用、三次的活用という方向も大いにありうることを示している。デサントの卵殻膜を利用した製品は化学繊維100%のものと、化学繊維と綿の混紡の両方があって、どちらも綿100%の製品に較べて選択してもシワができないという利点がある。